ガール・オン・ザ・トレイン 映画『感想、評価、レビュー』

ガール・オン・ザ・トレイン 映画『感想、評価、レビュー』
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ガールズ・オン・ザ・トレイン credit photo :imdb.com

ガール・オン・ザ・トレイン
(原題:The Girl on the Train)2016年アメリカ
37点
プラダを着た悪魔」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のエミリー・ブラント主演で、世界中でベストセラーとなった同名のミステリー小説を映画化。夫と離婚したレイチェルは、毎朝通勤電車の窓から見える、見ず知らずの「理想の夫婦」の姿に、別れた夫との幸せだった日々を重ねていた。ある朝、通勤電車の窓からレイチェルの目に飛び込んできたのは、「理想の夫婦」の妻の不倫現場だった。そして、その女性は間もなく死体となって発見され、唯一の目撃者として、レイチェルに周囲から疑惑の目が向けられてしまう..引用元:映画.com

『ガール・オン・ザ・トレイン』
夫と離婚し、悲しみに暮れるひとりの女性が当てもなく乗車する電車。

レイチェル credit photo : omdb.com

アルコール依存症の女性『レイチェル』。彼女は夫と離婚をし、悲しみの日々に暮れています。しかし彼女は、ある日起きた「殺人事件」にて ” 容疑者のひとり ” として疑いの目をかけられてしまいます。しかしアルコール中毒ということもあってか、彼女はその事件の一部をまったく覚えておらず、完全に脳裏から消え去っていました。彼女は、自分の記憶を辿ろうと必死になり、事件究明の手がかりを掴もうとします。

正にこの「記憶に残っていない部分」が本作の謎の部分であり、この映画の焦点となっています。つまり、この映画は物語りすべてがレイチェルが記憶を失ったときに起きた事件と、その真相を解き明かす物語です。


この映画「ガール・オン・ザ・トレイン」は、映画というものは、各人物の立ち位置と全体の構成・方向性がとても重要だと、改めて感じさせられる作品。

credit photo : imdb.com


ドロドロとした複雑な人間関係の相関図で構成されているこの映画は、一見すると物語がとても「奥深く、手の込んだストーリー」のように感じるかもしれませんが、実際に見て見ると、その物語りそのものは、かなりシンプルであり、単純明快なものです。 「ストーリー展開・独特な映像雰囲気」確かにそれは綿密に考え抜かれ、そしてよく出来ているとは思います。

 しかし、この映画の肝心な点はその演出効果ではなく ” 複雑な人間関係が取り巻く中で起きたー事件の真相解明ー “ という点 ” であるはずです。 この映画の根底にあるもの、それを簡単に言ってしまえば男女の不倫が引き金となり、やがて「殺人事件」へと発展していくというものですが、この「不倫」と「殺人事件」を結びつける因果関係があまりにも薄く、また面白くないです。

 これは簡単に言ってしまえば「男女間のいざこざ」が、結局は殺人事件へと大きく発展していってしまった..ただそれだけです。 この部分に独創的な要素は感じれるでしょうか?  この手のミステリー映画であれば..こんな内容は洋画のみならずとも、邦画であっても腐るほどあります。 ミステリー映画には “ 独創性 “ というものが不可欠です。それがなければ魅力的なミステリー映画にはなるはずもないです。

 この映画の基本となる「不倫関係」と「殺人事件」 そして実際のあまりにも細い導線を、もっと太い導線と結び付けてくれたのなら、この映画の見方もガラリと変わったかもしれません。しかしこの映画は、その導線と「不倫関係」と「殺人事件」というふたつの因果関係があまりにも細すぎます。 つまりこの映画は、根本的な構成そのものが残念な結果になってしまっているような気がします。

 またこの映画には、背後に存在するバックストーリーがありません。あなたは映画を見るときその物語の途中プロセスにおいて様々な感情を沸きたてていつも見ているはずです。その映画が面白い映画であればの話ですが… それはつまり、物語を見進めていくうえで、自分の心・感情の中に想う「次の展開予測、期待、怒り、悲しみ」などです。 魅力的な映画は、必ずしこれらの『自分の感情を揺さぶるバックストーリー』があるのではないでしょうか?
しかし、終始平行線を辿り、神秘的な雰囲気で黙々と進んでいくこの映画には、残念ながら「テンションが沸きあがるシーンや、自分の心の中に様々な感情が芽生える瞬間」そんなシーンや瞬間は、ほとんどと言っていいほどありません。

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『ガール・オン・ザ・トレイン』この映画は、見る側を ” 巧妙で且つ複雑で、奥が深い映画だと錯覚させる ” という魔力をもっています。

この映画の全体構成は、独特な世界観と複雑な人間関係で成り立っています。それ自体は決して悪いことではありませんが、視聴者を「複雑なミステリー映画の錯覚」へと導いていくこの映画は、その錯覚に囚われたまま見続けてしまうと、やがてその退屈さに気づくことになるかもしれません。 つまり小説として読んだら非常に面白い内容だったのかもしれまんせんが、映画化された本作は、すべて活字で構成されている神秘的な物語り(小説)を映像で表現するには些か無理があったのかもしれません。

 アルコール中毒で、精神面も不安定なレイチェルは夫と離婚後、通勤電車に乗り、日々虚ろな目で外を眺めています。そして『理想的な妻の浮気現場』を目撃することになります.. ここにこの映画の焦点ともなる事件の発端があります。しかし、この時点からかなり違和感を感じます。離婚した女性が傷心を負うのは分かりますが、近所に住んでいるとはいえ、まったくの赤の他人の女性。その女性の不倫現場を目撃して「困惑と怒りの衝動に駆られてしまう」というところに大きな共感を抱くことはできません。例えそれが過度なアルコール依存症に侵され、精神不安定な状態になっている女性であってもです。

 しかし、この点こそこの映画の最も重要なポイントであり、その後の謎の殺人事件へのストーリーへのきっかけなはずです。映画が始まってから、いきなり腰を折られたような感覚になってしまった筆者はその後、どうしてもこの映画には感情移入ができませんでした。

 そしてこの映画は始まりから終わりまで、すべて主人公レイチェルの過去の微かな記憶と現実がシンクロされて展開していきます。衝動的な怒りと一瞬完全に記憶を無くしてしまったレイチェル。しかし、その彼女が記憶を無くした瞬間に、ひとりの女性が何者かに殺害されてしまうという事件が起きます。そしてその容疑者にされてしまうレイチェル。事件が起きたときの記憶がないレイチェルは、” もしかしたら自分が犯人なのかもしれない ” という不安に悩みはじめます。

 つまりこの映画は、ひとりのアルコール依存症の女性が、自分が取った行動..その一部がまったく記憶がなく、自分はその間起きた事件の当事者ではないということ証明する映画です。 「完全に記憶にない」という謎の事件の真相究明。その問題を解決するひとつの手段は、レイチェル本人が、自分の記憶を呼び戻すということです。

メガン credit photo : imdb.com

 彼女を取り囲む複数の人間達は、事件に対して苦悩するレイチェルを更に惑わせる要因となります。 この映画に登場する人物の相関図は結構複雑です。気楽な気分で映画を鑑賞するものなら複雑な人間関係は理解出来なくなるかもしれません。 

 しかし、ここにもこの映画の視聴者を「ひとつの錯覚へと陥れる要因」があります。 これは映画なので複雑な人間関係、もちろんそれはokです。 それが映画の内容(ストーリー)を巧妙に面白くしている要因になっているのであれば.. しかし、この映画の複雑に絡みあう人間関係は、全てが程度の低い「不倫・恋愛関係」であり、そこには実際「殺人事件」が加わってきますが、この映画の基本ともなる「不倫」と「殺人事件」の因果関係がとても薄いです。

 

『ガール・オン・ザ・トレイン』の結末。 

映画を実際見て見れば分かりますが、映画の最後で明らかになる新犯人、それが事前に予測可能とか不可能とか、そんなよくあるポイントはとりあえず置いておいて… それよりも、その真相内容はあまりにも単純明快であり、映画でなくともこの手のドラマなどでは腐るほどある内容です。 

 まるでカメレオンのようにその姿を変化させ、魅力的なミステリー映画へと偽りの姿に変貌しているこの映画。 あなたが最後の最後まで、錯覚に陥ったままで見終わるなら、この映画は案外面白い映画なのかもしれません。しかし、あなたが途中でこの映画の本質を見抜いたとき、あなたはこの映画を見ている途中でアクビが出るかもしれません。

 レイチェルの苦悩する姿とはとてもよく表現されています。彼女の心身共に疲れ切った姿、虚ろな目.. しかし、前述したとおりこの映画の根底にある部分に感情移入できる点があまりにも少なすぎる為に彼女の熱演は虚しくさえ見えてきます。

 またこの映画のメディアにおける「キャッチコピー」は、お決まりのように『衝撃的な結末』となっているようですが、それは衝撃的でもなんでもありません。どこからどう見ても事件の真相・真犯人は予測できます。ハラハラドキドキのミステリー・スリラー映画を期待するなら非常に中途半端な映画かもしれませんが、あなたが主演のレイチェルと共に ” ただ単純に夢心地のような幻想を抱きながら静かな空間を味わたい ” というなら… 一度見て見る価値はあるのかもしれません。

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監督 テイト・テイラー
脚本 エリン・クレシダ・ウィルソン(英語版)
原作 ポーラ・ホーキンズ
『ガール・オン・ザ・トレイン』
製作 マーク・プラット
製作総指揮 ジャレッド・ルボフ
セリア・コスタス
出演者 エミリー・ブラント
レベッカ・ファーガソン
ヘイリー・ベネット
ジャスティン・セロー
音楽 ダニー・エルフマン
撮影 シャルロッテ・ブルース・クリステンセン(英語版)
編集 マイケル・マカスカー(英語版)
アンドリュー・バックランド
製作会社 ドリームワークス
リライアンス・エンターテインメント
マーク・プラット・プロダクションズ 引用元:ウィキペディア

レイチェル・ワトソン – エミリー・ブラント(園崎未恵): トムの元妻でアルコール依存症に苦しんでいる。
アナ・ワトソン – レベッカ・ファーガソン(舞山裕子): トムの現在の妻。
メガン・ヒップウェル – ヘイリー・ベネット(安藤瞳): スコットの妻。
トム・ワトソン – ジャスティン・セロー(滝知史): レイチェルの元夫。
スコット・ヒップウェル – ルーク・エヴァンス(東地宏樹): メガンの夫。
ライリー刑事 – アリソン・ジャニー(塩田朋子)
カマル・アブディック医師 – エドガー・ラミレス(乃村健次): メガンの主治医で精神科医。
マーサ – リサ・クドロー(田中敦子): トムの元上司の妻
キャシー – ローラ・プレポン: レイチェルの大学時代からの友人でルームメイト。
スーツ姿の男性 – ダーレン・ゴールドスタイン 引用元」ウィキペディア