ポゼッション 映画 2012年、実話を元に作られたオカルトホラー。

ポゼッション 映画 2012年、実話を元に作られたオカルトホラー。

エミリーという少女がたまたまガレージセールでみつけた木箱。そのときいっしょにいた父親は娘の為にその木箱を買ってあげたが、その木箱には恐ろしい魔物が潜んでいた。やがて、その魔物は少女エミリーに憑依し、エミリーの体を通して姿を現しはじめる。エクソシストに代表される典型的な ”憑依系オカルトホラー ” です。このホラー映画は内容はどんなものだろうか..?
ホラー映画は大好きな筆者だが、オカルト系は案外苦手な筆者は本日この『ポゼッション』を一通り鑑賞してみました。
ホラー映画にはかなり煩い筆者でもギャフンと言わせることができるだろうか..?この映画。 と..相当半信半疑で映画を見始めたのだが・・

ストーリー
妻と離婚したクライドは、週末に二人の愛娘と過ごすことを楽しみにしていた。しかしある日、次女のエミリーがガレージセールでアンティークの木箱を購入したことで事態は急変する。それ以来、彼女は徐々に暴力的な性格になっていき、ついには常軌を逸した行動を取るようにまでなってしまう。これに危機感を抱いたクライドは、原因はあの木箱にあると突き止め、ついに木箱に隠された恐ろしい秘密を知る。引用元:ja.wikipedia.org

総合評価:100点中/55点

ポゼッションには、意外性を密かに期待した筆者。

私を「ギャフン」と言わせることができるのか。そう書きましたが、それは決して映像を見ている途中で突然ビックリさせられるとか、恐怖のどん底に陥られるとか、そんな意味ではありません。ホラー慣れしている筆者にとってそんなもの必要ありません。だいたい私はホラー映画を鑑賞するときはそんなところに期待などしていません。無論、この映画に対してもそれは同じです。 だから、私は驚かす必要などないのですよこの映画自体。

私は何もホラー映画に限らず、映画に求めるものは他には無いような「独創的で且つ、独自性の強いストーリーであり、物語全体の構成力です。」
映画のジャンルに限らずこれが根本的に備わっている作品でないとそもそも話がはじまりません。 貴方もそう思いませんか?

ホラー映画も然りで、他にも似たようなストーリーと展開.. そんな同じような映画が存在しているなら、その時点で独創性という映画にとって非常に重要な要素が既に失われていることになります。 だから、この『ポゼッション』のように、少女の体に「魔物が憑りつく・憑依する」という基本的なコンセプトは、そのありきたりなコンセプトを跳ね返せるくらいの ” 意外性という部分 ” が必要になってくるのです。

もちろん、見る人によってはその部分がなくとも充分「面白い」と感じる方もいるでしょうし、それは人それぞれです。 でも私は違います。
私はどんな映画に対しても、その映画がもつ、そしてその映画にしかないものを求めます。それらが完全に出来上がっている映画でこそ秀作あるいは、傑作と呼べるものです。そう..私にとって他と似たような映画は必要ないのです。

しかし、この映画「ポゼッション」はオカルト(憑依)というものをテーマにしているので、基本的な部分は他と似たり寄ったりになってしまうのはしょうがないでしょう。後は、違う部分に意外性と独自の誰もが予想できないような展開を物語りの中に加えていく必要があるわけです。

だから、私はこの映画を見るとき期待していたこと。それは少女に怨霊が憑りつくという以外の部分に期待しながら見ていたわけです。
ありきたりのようなテーマでも、その後の展開次第では大きく映画は面白くなりますから、それができればそれでいいんです。

このホラー映画「ポゼッション」の核となるのは恐ろしい”木箱”のはず。

父親がガレージセールで買ってくれた木箱は、買わない方がいい木箱だったんです.. 実は。でも買ってしまったんです。そして新居まで持っていってしまったんです。たかだ木箱。しかしこの木箱は恐ろしい木箱でした。 この映画はホラー映画の割には、映像を見ていてもあまり暗い空気感は漂ってはいません。どちらかというと気軽に、ポテトチップと炭酸ジュースで飲みながらでも見れちゃう映画です。
木箱の怨霊が憑依したのはエミリーです。当然エミリーは怨霊に憑依されてしまったのですから、次第に挙動はおかしくなっていきます。そしてその挙動のおかしさはどんどんとエスカレートしていきます。ここまでは何の変哲もないオカルトホラーの古典的な流れです。怨霊がエミリーの体に憑りついた、だからエミリーは異常行動をとるようになった.. ここまでは、ものの見事に観る前から予想していることであり、事実自分予想よ同じように物語りが続いていきます。

だから私は、途中経過の中で「予想もつなかったような奇想天外」なストーリー。つまり物語の急展開を期待してみていました。
この映画のひとつの小さな誤算、それは安易な気持ちで買ってしまった木箱です。 そこにはどんな恐ろしい魔力が籠められていたのですか?
その木箱の中には、どんな恐ろしい魔物が潜んでいたのですか?

エミリーが父親とガレージセールに行って、木箱を購入する前に、その木箱に纏わる恐ろしい怨念と何者かとの因果関係を、あっさりとでいいので仄めかす必要があったのではないでしょうか..? こちら側視聴者は、その木箱が恐ろしいということは少しづつ分かってはきますが、そのときは既に先のストーリーが読めてきているので、あまり感情にグサリとはきません。 またエミリーは見事に悪霊に憑りつかれた悍ましい少女を見事に演じきっていますが、なにせ、全体的に明るい雰囲気のこの映画は、その明るい雰囲気が怖さという部分を若干トーンダウンさせてしまう要因になっているようです。

悪霊に憑依された少女の姿は、もっと過激に演出してもいい。

エミリーが人が変わったように豹変する姿、そしてその形相。映画の最終地点あたりでは特殊メイクも結構なもので、イイ感じで恐ろしい形相を見せてくれますが… しかし、それはそのシーンのみの話で、それ以上でもそれ以下でもありません。

当然、父親のクライドと別れた元母親のステファニーは必死に娘を助けようとはしますが、そこに壮絶感は感じるでしょうか..?
私はあまり感じませんでした。この映画では父親と分かれた母親が、悪霊に憑りつかれたエミリーを助けようとするシーンは最も重要なシーンです。
問題はそこに至るまでの過程です。 この映画はこの終盤辺りのシーンに至るまで、それなりにエミリーの苦悩や心の葛藤は描いていますが、それはともて弱いです。あまり悲惨さや苦悩の姿が伝わっては来ません。 だから終盤のシーンが生きてこない。 木箱を開けたエミリーが悪霊に憑りつかれたであれば、その後の彼女の様を、もっと激しく・恐ろしく・荒々しく、とことん絶対絶命の危機まで追いこまれた姿を描くべきです。

もし、そのようなプロセスで終盤のシーンを迎えたとき。そのエミリーに除霊をし助けるシーンはそれまでの苦悩と重なり、壮絶な悪魔祓い儀式となって視聴者の目に映ったはずです。そこではじめて感情移入ができます。

途中途中でグロい場面は数か所出てきますが、問題はそんなところではない。小手先だけのビックリシーンには目の肥えたホラー映画ファンは驚くことも恐怖さえも感じることなどありません。

そしてもうひとつ。この映画の核となる木箱。映画の中ではザックリと説明がされているが、私はその内容は聞いていてもまるで” とってつけられた ” ような、単純な内容のようにしか聞こえませんでした。 木箱に纏わる本当の因縁・怨念、憑依したあとのエミリーではなく、それ以前にこの木箱の恐ろしさをもっと強調したほうがいい.. 私はそう思いました。怖いのエミリーに憑依した憑依霊ではありません。本当に怖いのは木箱の奥底に潜んだ悪霊..そしてその悪霊がどんな悪意と呪い..あるいは恨みつらみがあったのか… その点を明るみにせずとてもぼんやりさせたままで、この映画はただ一人の少女エミリーをただの「悪霊に憑依されてしまった少女」として暴走させてしまったのです。 だから視聴者であるこちらは、その暴走にしっかりとついていきたくとも、なんかついていけない。

これは、一見面白かったような気がしないでもない..面白かったような、そうでもないような.. と見終わった後に中途半端な感覚を残してしまう典型的な映画です。

まぁ 結論から言えば、暇つぶし程度であれば見てもいい作品かと思います。