アブノーマル・ウォッチャー 映画『原題:13 Cameras』評価・感想・レビュー。

アブノーマル・ウォッチャー 映画『原題:13 Cameras』評価・感想・レビュー。
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13 Cameras
credit photo : imdb.com

アブノーマル・ウォッチャー
(原題:13 Cameras)2015年 アメリカ
72.6点

盗撮・覗き見に嵌りに嵌りまくった変態大家の悪事を描いたホラー映画。一軒家のあらゆる箇所に設置された高性能カメラが映し出す、新婚カップルの生々しい私生活。隠しカメラが捉えたそれらの映像を日々覗き見し、楽しむ家主。変態本能のボルテージが一気に上昇したとき家主はとんでもない行動へと出る。

隠しカメラが映し出す映像に虜になった男は、やがて暴走しはじめる。

ある日、家電ショップにて『隠しカメラ』の性能・機能を、店員から事細かく教えてもらったひとりの中年男。この中年男は見るからに不潔そうで汚い男です。
そしてこの中年男は、あろうことにもその「隠しカメラの魅力」に憑りつかれた。 この映画はそんな隠しカメラに嵌ってしまったひとりの「変態中年男」の ” 悪態と暴挙 “  その一部始終を描いている映画です。

ホラーと言えばホラーかもしれないが、この映画はホラー映画と言えるほどの恐怖感を描いている映画ではありません。それは ” 怖い ” と言うよりは.. ” 不気味、気持ち悪い “ という表現のほうがあっているでしょうか.. 他人の私生活を覗き見する、それも予め設置しておいた隠しカメラで・・ 当たり前ですが、それは世の一般女性が生理的に険悪する典型的な行動とも言えます。 しかしながら、正直言ってしまえば、男性であればこのような願望は、潜在的に持っているのかもしれません。それは誰しもが.. まともな男性であれば決して実行に移すことはないこの行為を、この変態中年男は再現しています。この「変態中年親父」は、他人の私生活を覗き見するという行為に夢中になってしまったのです。

変態家主を演じるNeville Archambault
credit photo : imdb.com

「変態的大家:アブノーマル・ウォッチャー」を見事に演じきったネビル・アーチャムボーに注目。

この映画を見終わり、筆者が率直思った感想、それは変態中年家主を演じる「Neville Archambault ネビル・アーチャムボー」がこの映画のハマり役であり、あまりにも演技が上手すぎるということです。彼はこの映画で最高の仕事をしています。
ストーリーも中々面白いものであり、充分楽しめますがそれと同時に彼の演技力に注目してみるのもいいかもしれません。変質者Geraldは映画の中では終始虚ろな表情です。もちろんそれは役になりきった彼(俳優ネビル)が演じている表情ですが、どこからどう見ても、本当に頭がイカレまくり、良からぬ妄想で埋め尽くされている変質者の表情に見事に成りきっています。 変な話ですが、映画を見終わった後、自分の顔も彼のような虚ろな表情になってしまっていることに気づきました。もちろん私は変態ではありませんが、映像の中の彼の表情はそれほど説得力があります。

突然のクライマックスシーンが随所に散りばめられているホラー映画とは違い、この映画は一環して不気味な静けさで物語りが展開していきます。たまにはこのようなホラー映画もいいものです。視聴者を驚かすようなシーンがほとんどない映画でありながら、最初から最後までどっぷりとその『変態覗き見ストーリー』に浸ることができるこの映画は、ある意味それだけ内容・構成がよく出来ていると言ってもいいと思います。

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現実的で不気味な怖さ『アブノーマル・ウォッチャー』

この映画のひとつの特徴は、非現実的なホラーではな、現実的社会においても「充分あり得る」ということを題材している点です。 内容(ストーリー)の中には、若干無理があるようなシーンもあるにはありますが、それらはこの際無視しましょう。 映画というものは、往々してそのような部分はあるものです。所謂ツッコミたくなるシーン。 

変態大家の家を借りたライアンPJ McCabe,
credit photo : imdb.com

変態大家の家を借りたライアンとクレア、ふたりは借家を見て気に入って入居したが、実は生活のすべてを大家から覗かれていた。これはある意味、殺人鬼や怪物が襲ってくるホラーとは違う怖さがあります。前述したようにこれは恐怖というよりも不気味です。 しかし何度も言いますがこの映画には所謂 ” 迫りくる恐怖 ” というものはありません。新居を訪れたライアンとクレアは、かなりの長い間、この「隠しカメラ」の存在には気づきません。そして気づいたときから一気に恐怖物語がエスカレートしていくわけでもありません。この映画は、その部分には基本的に焦点は当てていません。

変態大家の家を借りたクレア Brianne Moncrief, credit photo : imdb.com

また大家は確かに暴走を始めますが、それはこの映画の中で重要な位置づけにはなっていません。 すべては新婚カップルの私生活を覗き見るという悍ましい行為です。いつものホラーやサスペンスを見るときの思考とは少し違った思考で見て下さい。
最高に面白い映画とは言いませんが、一度見る価値はあるのではないでしょうか?あなたがホラー映画ファンであるならば。貴方がこの映画を見たとき、それが分かるはずです。映画終盤で訪れる大家の暴挙とも言える行動は、最後の結末へと繋がりますが、この点は残念ながらあまりしっくりくるものではありませんでした。言ってみればこの映画の結末は「尻つぼみ」のような結末で終わってしまいます。 この点が筆者のマイナスポイントになってしまった点です。 もう少し山場と最後に予想天外な結末にしてくれれば…と思うのですが。

また、この映画の欠点のもうひとつが、この家主が抱く目的、それが明確に中々見えてこないということ。じわじわと、そして静けさとと共に展開していくストーリーはそれなりのものはありますが、変態家主の最終目的がハッキリとはしてない分、次の展開に対し、自分なりの想像と予測が立てられません、本来であればその予測は立てられないという点は、ある意味プラスポイントになるのですが、この映画のそのぼんやりとした部分は、見ている側のゾクゾク感を掻き立てるのにはちょっと不十分です。

そして一連の流れは結末を迎えますが、これも正直私が想像していたものとは違っていました。
やはりこの映画は最後まで淡泊な感じで終わるなんだ…そんな印象さえ残っています。
どう見ても低予算で制作されたと思われるこの『アブノーマル・ウォッチャー』は、こう考えると一風変わった映画なのかもしれません。

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