ジョン・ウィック :チャプター2 感想・評価。

ジョン・ウィック :チャプター2 感想・評価。

「ご安心ください」このレビューにネタバレは含まれていません。

シンプルでありながらも、一本筋がビジっと通った前作「ジョン・ウィック」
そのいい意味で単純明快なストーリーは、単純でありながらもそのシーンごとに明確な意味がありました。
1作目の物語りは、妻を突然なくしたジョンが悲しみに苦悩する姿や想い、そして復讐に立ち上がるときのジョンの怒りの心境がとても上手く映画の中で表現されていたのが「ジョン・ウィック」。 裏の社会から身を引き平穏な生活を送ろうとしていたジョンが、愛車を奪われ、最愛する妻からの最後の贈り物の愛犬までもが殺害されてしまい、怒り狂いそして復讐を決意し、たったひとりで勇敢にも復讐を実行していく.. 完成度の高いストーリーの前作は、見終わった後満足感充分な内容だったわけです。

続編である『ジョン・ウィック:チャプター2』抱いていた期待感と、実際に鑑賞した後の違い。

復讐劇.. それは筆者個人的には、犯罪系アクション映画の鉄板的なストーリーでもあります。 主人公の ” 悲しみと怒りの感情 ” そして鑑賞しているこちら側の感情、そのふたつが見事に合致し、完全なる二足歩行を実現してくれるのが前作「ジョン・ウィック」です。

だから前作「ジョン・ウィック」は問題なしの傑作です。筆者は傑作だと思っています。だから、傑作の続編だから当然以前からこの「ジョン・ウィック:チャプター2」は見てみたいと思っていたのです。

但し、この続編、前述したようなジョンの心の葛藤を物語から感じとることができません。残念ながら、それはどこかに行ってしまっています。
「ジョン・ウィック」という映画は、1作目で復讐に対しては、ある程度の決着をつけています。 主人公のジョン自身が、それで完全決着をつけたと思っているかどうか分かりませんが、前作を見た筆者にとっては、ジョンがあの後にまだ何かを考えて復讐の計画を練っているようには見えません。

でもこの続編では、前述したような ” 惰性の復讐劇 ” が続いています。多くの「ジョン・ウィック」ファンは「子犬の次、今度は家を破壊された」というところにストーリーへの様々な期待感を抱いていたと思います。それは自分も同じです。自分の中で勝手な想像を膨らまし、前作同様の復讐劇を期待してみるならばです、家が破壊されたこと自体に大した意味合いを持たない本作。 この本作を見始めたとき、貴方はきっと想像していたときとは別の部分に本作の面白さを求める羽目になってしまうかもしれません。

映像のクォリティと、前回より多様されたアクションシーン。

この続編を鑑賞するときは、前作のときと同じような ”感情移入”を期待してはいけないようなきがします。この続編には前作のような完成度の高い復讐物語りはどこにもありません。あるとすればそれは別の部分です。 確かに続編であるから、「復讐」ということにばかり拘りそれを期待するのは間違っているのかもしれませんが、この本作を1作目からの続きのストーリーとして捉えた場合、必然的にこちらの感情にはその期待感が沸き起こってしまうのは当然なのでではないでしょうか。

もちろん、ジョンがまた何らかの理由で ” 復讐劇を決意し、成し遂げる ” という前作と同じような内容を期待していたわけではありません。
期待する部分は、映画ジョン・ウィックがあの1作目の結末からどのような物語を展開していくのか.. そこのみです。だからこそ二作目であるこの続編への興味が高ぶるわけですから.. とは言っても、もちろんそれは新たな復讐劇の続きでもいいし、、まったく別の展開でもいいわけです。

この続編は「復讐の続きと言えば続き」ですが、その内容は惰性で復讐劇をただ伸ばしているだけの内容のように見えます。銃撃戦とアクション、それは前作もこの続編も根本的には同じですが、しっかりとしたストーリーが根底にあり、それが功を奏してアクションシーンが ” 生きている ” 前作と比べ、この続編は悪い意味で ” アクションシーンがショーアップ ” されています。つまり、内容はともかくとしてアクションパフォーマンスだけはレベルアップしていると言えるのが本作です。

決して身のこなしが達者ではないキアヌ・リーブス.. でも、そんなことは関係ありません。元殺し屋でありながら優し気な表情のジョン・ウィックが前作で演じたアクションシーンは、そのぎこちない動きこそ意味があったような気がします。ジョイソン・ステイサムのような100%完璧な体の動きに見慣れた筆者にとっては、ある意味新たなアクションシーンを魅せてくれたのが前作ジョン・ウィックなのです。

単純でシンプルな内容でも、エンディングまでグイグイ引き込んでくれる前作は、見ていて時間を忘れるほど見応えのある内容だったことは間違いないです。

ある程度の”復讐の決着”をつけてエンディングを向かえてた前作。続編にはどのような物語が待っていたのでしょうか.. 

これも前述したとおり「犬の後は家」です。愛犬を殺害されて復讐に燃えたジョンは、続編では家を破壊されてしまいます。でも犬と家.. この大きなこそまったく違いますが、ジョンが愛情を注いでいた子犬と、デカいけれども所詮 ”タダの家 ” です。
金銭的損害は大きいかもしれませんが、視聴者が金銭的損失の部分に感情移入することなどできるわけありません。結果的に考えるならば「家破壊」が単に続編の単なる一部であったとしても、全体のストーリー構成と完成が高ければもっと面白い映画になったはずです。 個人的には、前作でマフィアの親分(ヴィゴ・タラソフ)とその息子が、ジョンの手によってあの世へ葬られたということに逆恨みをし、今度は家を破壊してやった。住んでいるデカい家を破壊されてしまったことで、更にジョンが怒り狂い再度復讐していく.. という内容のほうがまだ増しだったような気がします。(この辺は詳しくは書きませんが、本作での内容は少しばかり違います)

もちろん、物語の一部として犬の後は家を破壊されてしまうという内容が含まれていても、それは問題ないですが.. でも「それ以外にどんな展開があるのか?」 私はこの再生時間が約2時間ある映画を見ながら、只管自分の中で模索し、そして期待しながら鑑賞していました。
1作目もよりも様々シーンで多様されているアクションシーン、映像・演出の面でも多少レベルアップしているそのアクションシーンは別に悪くはないのかもしれませんが、映像面がレベルアップしても根底にあるストーリーが。それを派手なアクションパフォーマンスを底上げしてくれる力がなければ意味を成さないということです。

筆者もこの映画に対し、日本国内ユーザーから海外のユーザー達のレビューを色々見ましたが、多くの映画レビュアーが本作に対して低評価を下している理由は、これらの点にあるのではないかと思います。

子犬一匹のために、命をかけて自分を悲しみに追いやった相手をぶちのめす。昔は殺し屋という役柄のジョン・ウィックですが、前作の中での彼の顔はどこからどうみても殺し屋の顔ではありません。これは本作でも生きていますが彼が本作で実行したことは、復讐(正義)とは少し違っています。
それは結局ジョンが黒い世界から既に遠ざかっているとはいえ、所詮マフィア同士の抗争のようなものです。私は本来の「ジョン・ウィック」とは少し違った映画を見せらてしまったような気になっています。

ジョン・ウィック:チャプター2
総合評価:100点中/50点

ジョン・ウィック:チャプター2

John Wick: Chapter 2
監督 チャド・スタエルスキ
脚本 デレク・コルスタッド
原作 キャラクター創造
デレク・コルスタッド
製作 ベイジル・イヴァニク
エリカ・リー
製作総指揮 ジェフ・ワックスマン
ロバート・ベルナッキ
デヴィッド・リーチ
ケヴィン・フレイクス
ヴィシャル・ルングタ
出演者 キアヌ・リーブス
コモン
ローレンス・フィッシュバーン
リッカルド・スカマルチョ
ルビー・ローズ
ジョン・レグイザモ
イアン・マクシェーン
音楽 タイラー・ベイツ
ジョエル・J・リチャード
撮影 ダン・ローストセン(英語版)
編集 エヴァン・シフ
製作会社 ライオンズゲート
サンダー・ロード・ピクチャーズ(英語版)
87イレブン・プロダクションズ
配給 アメリカ合衆国の旗 サミット・エンターテインメント
日本の旗 ポニーキャニオン
公開 アメリカ合衆国の旗 2017年2月10日
日本の旗 2017年7月7日
上映時間 122分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $40,000,000
興行収入 アメリカ合衆国の旗 $92,029,184
世界の旗 $171,539,887[1]
前作 ジョン・ウィック
次作 ジョン・ウィック : チャプター3(仮題)引用元:ja.wikipedia.org